美しき刻は流れて（２）

読後の感想を頂戴した内容です。
清涼感の溢れる文面に、引きずり込まれるようにして、一気に読み終えました。そこかしこに、作者の感性のおりなした言葉や文章がちりばめられており、本当に印象に残る一冊でした。瑶子の日常や現実生活がうっすらと霞みかかったような表現でありながら、朝青との言葉や手紙のやり取りの場面は、一段と研ぎ澄まされた感性の小世界に入り込んで、この差異が微妙で不思議な連れ合いを保っているように思えます。結果として、全体が高原の空気を身にあびているような自然な嬉しい感覚を覚えました。　　　　（美術作家　女性）

タイトルも表紙の絵もおしゃれで、高級感のあるご本ですね。きわどい作風の多い現代小説の中で、一服の清涼剤のような読後感です。読んでいて何かときめきの様な高揚感がありましたのは、老齢な私にも潜在しているアバンチュールへのあこがれがあると思い知らされました。　哲学者、田辺元、と、野上弥生子の往復書簡が先日発行され、話題になりましたが、ハイレベルの人の愛の表現手段は珠玉の様だと思われました。ご本の中にも言葉のもつ美しいあやがあって、余韻が残ります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（70代　女性）

全体に詩を感じさせる、とてもきれいな文章で書かれた、さわやかな印象の小説でした。　　線路沿いの桜並木からイギリスの庭の八重桜へ、まるで映像が流れるように舞台が移り、続いて広大で物寂しい箱根の夕暮れへと変わる、筋の移り変わりと共に情景が展開していき、最後に美の極致と感じる桜の景観で締めくくられる。作者の美意識を感じさせる絵画的なきれいな小説だと思いました。ただそれが全体にきれいだというのだけでなく、その詩的、絵画的文章の組み立ての中に、魅力的な主人公とその恋愛を軸として、現代社会への洞察もされていて、それが少しも理屈っぽくなく、素直に柔らかく書かれている。骨組みのしっかりした知的な深みのある素敵な小説です。　特に瑶子という主人公の存在に私は非常に魅力を感じました。知性に裏打ちされた成熟した大人の観察眼を持つ主人公には共感できる所が多く、文中で「文化」「フレーバー」と表現されているように、今、これだけ世の中を広い視野に立ち客観視できる大人がどれだけいるであろうかと考えると、朝青が揺子に新鮮さを感じるのも大いに肯けます。朝青により「パンドラの箱」を開けられ、「愛のエリート」と成り得た瑶子ですが、私にも彼女の存在は理想の女性の姿のように思われました。　夫、俊介に比べ、朝青の存在感があまり感じられなかったのは残念に感じましたが、恋愛に流されない自立した存在の揺子には朝青の存在感を加えることは余分なことなのかもしれませんね。　小説全体に独特なヨーロッパ的空気を感じさせ、知的な大人の深みのある小説に仕上げた作者の力量に感心しました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（50代　女性）

とてもなめらかな、山間の川の流れにも似た流麗でさわやかで品のいい、素晴らしい文章でした。特に男の手紙が心に響いてきました。いい恋愛ですね。うらやましくなるような恋ですね。正に、大人の恋。これからを期待しています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（50代　男性）

オムニバスでもないのでしょうが、ひとつひとつが短編のようで、とても読み易いご本でした。結婚してキラメキを失う男の人、若者とは違う理性のある純愛、面白く読ませて頂きました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（70代　女性）

読み終った後の切ない気持ちをなんて表現したらいいのか分かりませんが、とても居心地が良かったです。主人公と主人公に想いをよせる男性の恋文部分が上手く書かれていて、ドキドキしてしまいました。違う世界に生きるふたりの逢瀬が美しいです。こんな感受性豊かで繊細な文章を書けるなんて素晴らしいです。　　　　　　　　　　　　（20代　女性　イギリス在住）

英語のフレーズと、音楽が効いていて、湘南風ともとれる、さわやか短編です。秋風に　ただ　蘇る　痛き恋　　　　　　　（40代　男性）

午後の心地良い日差しの中で、コーヒーブレイクしながら、一気に読んでしまいました。肩の凝らない軽いタッチと、誰にでも起こりそうな小さな出来事等が、この年齢にならないと解らないことが共感を呼ぶのでしょう。人生は、本当に、貴女の書かれた通り、人それぞれの様でありながら、同じ様にページがめくられていきます。パタンと本を閉じる日まで、常に歌（詩）の様な人生を過ごしたいと思う今日この頃にピッタリの本で、楽しく読ませていただきました。ありがとう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（シャンソン歌手　女性）

手紙のやりとりのなかの文章は、共感するところ多く、自分の思いが文字になって、簡潔に表現されていくような錯覚をおこしました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（40代　女性）

とてもシンプルにまとまっていて、読み心地が良かったです。主婦の視点から、ちょっとした社会問題などに対する考えもさりげなくちりばめられていて素晴らしいと思いました。やはり醍醐味は手紙のやり取りで綴られる二人の愛が、濃厚であるにも拘らず、あまり重くならずにテンポ良く進行していくのが、気持ち良く感じられました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（20代　男性）

読み書きの苦手な私でも楽しく終りまで読み、文章の上手さによい学びにもなりました。　　　　　　　　　　（保育園園長　女性）

女性の気持ちが少しわかったような気分になりました。読み終わってなぜかわからないのですが、すがすがしい気分を味わうことができました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（40代　男性）

気持ち良く読むことができました。何か白身のお魚を上品に頂いた感がありました。　　　　　　　　　　　　　　（50代　女性）

淡い美しい感情のあやは、香水の瓶の蓋を取ったようにかおり、やがては消えて行きましたが、イギリスの中流生活、日本の恵まれた主婦の残り香は漂っています。70歳を超えた僕には、人妻に甘い手紙を書く男には体重が感じられず、連れ合いの存在感の無さにも頼り無さを感じますが、ここまで仕上げるにはそれなりの苦労があったのだろうと思っています。今後もご努力を続けて、他人には無いものを確立し、見事な作品に御育てください。　　　　　　　　　　　　（仏文学者　男性）

現実と非現実の両立ー日常のありふれた出来事の中で、小さな喜びをみつけ出すこと、現実ではなかなか許されないけれど、こんな素敵な事があったらいいなと思うことが、自然体で流れるように描かれている、本当の意味で大人でなければ書けない作品だなと感じました。洗練された文脈で心地良く調和、ブレンドされている、というより、さっくり交じり合っていて、とても快い感覚を覚えます。この小説はとても大きな勇気を与えてくださったような気がします。いくつ年齢を重ねても、家庭を持っても、いろいろな拘束があっても、人を愛することはとても大切なことだと私は思います。　　　　　　　　　　　　　（30代　女性）

題名と中味と絵が、こういう本を出したい、という気持とが一致しているような本当に美しいお話と思いました。よく物事を深く見て、考えておられるし、骨組みがしっかりしていて、そして情緒もたっぷりで、云いたいことが、キラキラ。ギラギラではなくて、強いんだけれど、全体にフィルターかけてあって、でもはっきりしていて、この持ち味はファンがたくさん出来るのではないでしょうか。特に女性が共感するのではないでしょうか。短く、シンプルのようでも、行間がたくさん物を云っているから、何だか書かれていること以上に多くのことを受け取ることが出来ました。余韻も充分ですし。最後もとっても美しくて。読み終えたら、心が満足しました。そして、あかぬけていて、とってもおしゃれ。具体的には主婦の仕事や、トイレのフタの話をしていても、それがかたちになって頭に浮んで来ても、きれいに感じる。これはもう貴女の持ち味というしかないのでは。すばらしいと思いました。　（60代　女性）

大変素晴らしく、最近味わったことのない爽快な気持ちになりました。作中、同意できる著者の社会観、描写等、数多くあり感心致しました。集約すれば、タイトルとあとがきが、すべてを物語っているのではないでしょうか。　　　　　　　　　　　（50代　男性）

個性パン創造　アルル

読後の感想を頂戴した内容です。
清涼感の溢れる文面に、引きずり込まれるようにして、一気に読み終えました。そこかしこに、作者の感性のおりなした言葉や文章がちりばめられており、本当に印象に残る一冊でした。瑶子の日常や現実生活がうっすらと霞みかかったような表現でありながら、朝青との言葉や手紙のやり取りの場面は、一段と研ぎ澄まされた感性の小世界に入り込んで、この差異が微妙で不思議な連れ合いを保っているように思えます。結果として、全体が高原の空気を身にあびているような自然な嬉しい感覚を覚えました。　　　　（美術作家　女性）

タイトルも表紙の絵もおしゃれで、高級感のあるご本ですね。きわどい作風の多い現代小説の中で、一服の清涼剤のような読後感です。読んでいて何かときめきの様な高揚感がありましたのは、老齢な私にも潜在しているアバンチュールへのあこがれがあると思い知らされました。　哲学者、田辺元、と、野上弥生子の往復書簡が先日発行され、話題になりましたが、ハイレベルの人の愛の表現手段は珠玉の様だと思われました。ご本の中にも言葉のもつ美しいあやがあって、余韻が残ります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（70代　女性）

全体に詩を感じさせる、とてもきれいな文章で書かれた、さわやかな印象の小説でした。　　線路沿いの桜並木からイギリスの庭の八重桜へ、まるで映像が流れるように舞台が移り、続いて広大で物寂しい箱根の夕暮れへと変わる、筋の移り変わりと共に情景が展開していき、最後に美の極致と感じる桜の景観で締めくくられる。作者の美意識を感じさせる絵画的なきれいな小説だと思いました。ただそれが全体にきれいだというのだけでなく、その詩的、絵画的文章の組み立ての中に、魅力的な主人公とその恋愛を軸として、現代社会への洞察もされていて、それが少しも理屈っぽくなく、素直に柔らかく書かれている。骨組みのしっかりした知的な深みのある素敵な小説です。　特に瑶子という主人公の存在に私は非常に魅力を感じました。知性に裏打ちされた成熟した大人の観察眼を持つ主人公には共感できる所が多く、文中で「文化」「フレーバー」と表現されているように、今、これだけ世の中を広い視野に立ち客観視できる大人がどれだけいるであろうかと考えると、朝青が揺子に新鮮さを感じるのも大いに肯けます。朝青により「パンドラの箱」を開けられ、「愛のエリート」と成り得た瑶子ですが、私にも彼女の存在は理想の女性の姿のように思われました。　夫、俊介に比べ、朝青の存在感があまり感じられなかったのは残念に感じましたが、恋愛に流されない自立した存在の揺子には朝青の存在感を加えることは余分なことなのかもしれませんね。　小説全体に独特なヨーロッパ的空気を感じさせ、知的な大人の深みのある小説に仕上げた作者の力量に感心しました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（50代　女性）

とてもなめらかな、山間の川の流れにも似た流麗でさわやかで品のいい、素晴らしい文章でした。特に男の手紙が心に響いてきました。いい恋愛ですね。うらやましくなるような恋ですね。正に、大人の恋。これからを期待しています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（50代　男性）

オムニバスでもないのでしょうが、ひとつひとつが短編のようで、とても読み易いご本でした。結婚してキラメキを失う男の人、若者とは違う理性のある純愛、面白く読ませて頂きました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（70代　女性）

読み終った後の切ない気持ちをなんて表現したらいいのか分かりませんが、とても居心地が良かったです。主人公と主人公に想いをよせる男性の恋文部分が上手く書かれていて、ドキドキしてしまいました。違う世界に生きるふたりの逢瀬が美しいです。こんな感受性豊かで繊細な文章を書けるなんて素晴らしいです。　　　　　　　　　　　　（20代　女性　イギリス在住）

英語のフレーズと、音楽が効いていて、湘南風ともとれる、さわやか短編です。秋風に　ただ　蘇る　痛き恋　　　　　　　（40代　男性）

午後の心地良い日差しの中で、コーヒーブレイクしながら、一気に読んでしまいました。肩の凝らない軽いタッチと、誰にでも起こりそうな小さな出来事等が、この年齢にならないと解らないことが共感を呼ぶのでしょう。人生は、本当に、貴女の書かれた通り、人それぞれの様でありながら、同じ様にページがめくられていきます。パタンと本を閉じる日まで、常に歌（詩）の様な人生を過ごしたいと思う今日この頃にピッタリの本で、楽しく読ませていただきました。ありがとう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（シャンソン歌手　女性）

手紙のやりとりのなかの文章は、共感するところ多く、自分の思いが文字になって、簡潔に表現されていくような錯覚をおこしました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（40代　女性）

とてもシンプルにまとまっていて、読み心地が良かったです。主婦の視点から、ちょっとした社会問題などに対する考えもさりげなくちりばめられていて素晴らしいと思いました。やはり醍醐味は手紙のやり取りで綴られる二人の愛が、濃厚であるにも拘らず、あまり重くならずにテンポ良く進行していくのが、気持ち良く感じられました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（20代　男性）

読み書きの苦手な私でも楽しく終りまで読み、文章の上手さによい学びにもなりました。　　　　　　　　　　（保育園園長　女性）

女性の気持ちが少しわかったような気分になりました。読み終わってなぜかわからないのですが、すがすがしい気分を味わうことができました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（40代　男性）

気持ち良く読むことができました。何か白身のお魚を上品に頂いた感がありました。　　　　　　　　　　　　　　（50代　女性）

淡い美しい感情のあやは、香水の瓶の蓋を取ったようにかおり、やがては消えて行きましたが、イギリスの中流生活、日本の恵まれた主婦の残り香は漂っています。70歳を超えた僕には、人妻に甘い手紙を書く男には体重が感じられず、連れ合いの存在感の無さにも頼り無さを感じますが、ここまで仕上げるにはそれなりの苦労があったのだろうと思っています。今後もご努力を続けて、他人には無いものを確立し、見事な作品に御育てください。　　　　　　　　　　　　（仏文学者　男性）

現実と非現実の両立ー日常のありふれた出来事の中で、小さな喜びをみつけ出すこと、現実ではなかなか許されないけれど、こんな素敵な事があったらいいなと思うことが、自然体で流れるように描かれている、本当の意味で大人でなければ書けない作品だなと感じました。洗練された文脈で心地良く調和、ブレンドされている、というより、さっくり交じり合っていて、とても快い感覚を覚えます。この小説はとても大きな勇気を与えてくださったような気がします。いくつ年齢を重ねても、家庭を持っても、いろいろな拘束があっても、人を愛することはとても大切なことだと私は思います。　　　　　　　　　　　　　（30代　女性）

題名と中味と絵が、こういう本を出したい、という気持とが一致しているような本当に美しいお話と思いました。よく物事を深く見て、考えておられるし、骨組みがしっかりしていて、そして情緒もたっぷりで、云いたいことが、キラキラ。ギラギラではなくて、強いんだけれど、全体にフィルターかけてあって、でもはっきりしていて、この持ち味はファンがたくさん出来るのではないでしょうか。特に女性が共感するのではないでしょうか。短く、シンプルのようでも、行間がたくさん物を云っているから、何だか書かれていること以上に多くのことを受け取ることが出来ました。余韻も充分ですし。最後もとっても美しくて。読み終えたら、心が満足しました。そして、あかぬけていて、とってもおしゃれ。具体的には主婦の仕事や、トイレのフタの話をしていても、それがかたちになって頭に浮んで来ても、きれいに感じる。これはもう貴女の持ち味というしかないのでは。すばらしいと思いました。　（60代　女性）

大変素晴らしく、最近味わったことのない爽快な気持ちになりました。作中、同意できる著者の社会観、描写等、数多くあり感心致しました。集約すれば、タイトルとあとがきが、すべてを物語っているのではないでしょうか。　　　　　　　　　　　（50代　男性）

個性パン創造　アルル